一人暮らしの暮らしぶりについて
一人暮らしを始めてかなり経つ。10年hはとうには越えた。
一人暮らしの当初から出来るだけ自炊をしているが、疲れた日とかには出来合いの総菜なりパックの刺身なりを買って食っている。
その時に気を付けているのが、必ず食器に移すようにしているということ。
確かに食器に移すと洗い物が増えて面倒この上ないのだが、やはりそれをしないとずいぶんみすぼらしいというか、惨めな気分になってくる。
例えば、袋麺を作った後鍋から直食いするのとちゃんと丼ぶりに移して食うとどちらがちゃんとしているだろうか。
例えば、パックの刺身をプラスチック容器から直食いするのと、皿に移して食うのではどちらがちゃんとしているだろうか。
言わずもがなである。
こういうことをなぜ気を付けているかと言えばやはり私の中での貧困者のイメージがそういうものであって、そうなる事を強く恐れているからだろう。
三十路になってまで、結婚も同棲もせず一人暮らしを続けるという事に対して正直な話、多少惨めに思っているからだろう。
もしかしたら一生このままなのではと最近本気で思っている。
だからこそ、せめて暮らしぶりくらいはきちっとしてせねば身も心も貧困になってしまう。
テレビ番組などで映る貧乏人の暮らしぶりというのは、あまり言っちゃいけないのだろうが心根から惨めになっているように見受けられる。
お金が無いことはある種しかたがないとは思うが、暮らしぶりが汚いのはお金とは関係がない。
おそらく、お金がない現状に嫌気がさして掃除なり身なりなり食事なりに気を張らなくなって、ぐちゃぐちゃとなっていくのだろう。
生活ぶりが乱れてくると結構精神に堪えるものがある。
普段部屋を綺麗にしている人なら分かると思うが、風邪をひいて掃除が出来なかったとき、食器をちゃんと片づけられなかったとき、出したものを出しっぱなしにして山積みになったとき、どんどん心が荒んできた覚えがあるだろう。
そして風邪が治り一念発起、片づけをして綺麗さっぱりした時妙に心持が軽やかになった覚えがあるだろう。
特に空が晴れていて、網戸なんかにして、頬を風が撫でたときなんぞは、何かに感謝したくなる心持までする。
片づける前までは何か許せなかった事柄も、どうでも良くなったりする。
衣食住を整えるだけでメンタルは大分上向きになる。
だから今お金がなくて、少し惨めというか、嫌な気持ちになっている人こそ部屋を片付けたり、自炊をするなり生活ぶりだけはきちんとすることを心掛けるべきだ。
別に毎日でなくてもいい。掃除は休みの日だけでもいい。自炊までいかずとも食器に盛るだけで大分違う。
そういう小さいところから、生活に気を張っていくとお金がなくともそれなりの心持で生きていける。